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2009年6月6日

2009年6月 6日 (土)

(4)ケータイ禁止令 「裏技」で骨抜き(6日)

ダミーで没収回避 「先生は甘い」

 知らない間に教室内で撮影された自分の顔写真が、ケータイの学校裏サイトにさらされていた。2007年冬、京都府の高校に通うエミ(仮名)は画面を見てぼう然とした。

 〈ブス 死ね!〉 〈中絶したらしいよ〉 きっかけは、自分のホームページにカレシの写真を載せたことだった。裏サイトは、20人以上の同級生が代わる代わる書き込む悪口で膨れ上がっていった。授業中も刻々と更新され、隠し撮り写真も毎日のように加えられていく。エミがサイトの存在に気づくと、同級生は真正面からケータイのカメラを向けてきた。勝手に張られた写真は、50枚以上に。 「いつどこで見られているか分からなくて不安だった」 エミは1か月後、学校に行けなくなった。

◎ 文部科学省が昨年11~12月に実施した全国調査では中学2年生の25人に1人、高校2年生だと10人に1人がネットいじめを受けたことがあると答えた。 「学校に持ち込ませたくない大きな理由はネットいじめが深刻になるから」。東海地方の中学に勤める30歳代の女性教諭はこう打ち明け、今年1月、文科省が全国の小中学校に通知した「ケータイ持ち込み禁止令」を歓迎する。だが、徹底は至難の業だ。「子どもたちの方が一枚も二枚も上手」と教諭は首をすくめる。 東京都内のある私立高校では朝、ホームルームの時間に教諭が紙袋をもって教室を回り、ケータイを回収する。だが「クラスの40人中5人はダミー携帯を出してる」と2年生のアキラ(16)(仮名)はペロリと舌を出す。アキラたちの指すダミー携帯とは、メーカーの作った展示用の模型。見た目も重さもボタンの感触も、本物とほぼ同じだ。「一つ100円ぐらいで売ってるよ」。新機種が発売されるたびに各携帯ショップに置かれる模型だが、型式が古くなれば不要になるため、中にはワゴンに山積みにして売っている店もある。自分のケータイと同機種のダミー携帯を持つ高2の少女(16)も「没収されそうになると、机の下で本物とすり替えて渡す」と話す。

 横浜市のある私立高校では、校内でケータイが見つかった時は、原則没収。だが、生徒たちは「注意するのは生徒指導の先生だけ」と口をそろえる。教諭の大半は、授業中に着信のメロディーや振動が聞こえても黙認するという。「服装や髪形は厳しくチェックするくせに、ケータイに関しては甘い」と、3年生の女子生徒(17)は苦笑する。

◎京都府の学校で起きたネットいじめ。当時、学校はエミの母親からの通報を受け、いじめに加担した生徒からケータイを没収した。だが、その寸前、彼女たちは内蔵のICカードを抜き取っていた。切手より小さなICカードだが、契約者情報が記録されたいわばケータイの頭脳。抜き取ってしまえば本体は「抜け殻」になり、別のケータイに差し込めば、それまで同様に使えるのだ。書き込みは止まらなかった。〈先生も親も分かってないね〉。裏サイトで、子どもたちは大人の知識不足をあざ笑った。 「学校が適切な処置をとっていたら、傷はこんなに広がらなかったかもしれない」。エミが立ち直り、学校に戻った今も、母親の怒りはおさまらない。「子どもたちのケータイの知識は教師のはるか先をいっている。教師も真剣に学んでほしい」(2009年4月28日  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/national/oya2/oya090428.htmYomiuri_koudoku1_6

 

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