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2009年3月29日 (日)

☆【衝撃事件『未解決』の核心】時効まで1年…「異例」の捜査続く長官銃撃事件(29日)

Banner_logo_051_2 国松孝次警察庁長官(当時)が自宅マンション前で銃撃された事件は、3月30日で発生から丸14年を迎える。警察トップを狙った未曾有(みぞう)の事件はこの間、警視庁公安部長の更迭やオウム真理教元幹部らの逮捕、釈放など異例の展開をたどった。いまも“オウム犯行説”の見方を崩していない公安部に対し、別事件で逮捕した男から犯行を認める供述を得ている刑事部。「異例」ずくめの捜査が続く。警視庁幹部は「事件の全容解明には共犯者か銃の発見が条件。時効まで1年と短いが、さまざまな角度から新証拠の発見に努めたい」と話す。

■現職警官の供述に衝撃  捜査は教団の信者だった元巡査長の供述に翻弄(ほんろ167389_t801 う)された14年だった。平成7年の事件当時、元巡査長は本富士署に勤務し、地下鉄サリン事件を捜査していた築地署捜査本部に派遣されていた。地下鉄サリン事件から6日後の7年3月26日に信者の車から押収された光ディスクの中に記録されていた信者の名簿に、元巡査長の名前があったことが判明。警視庁に衝撃が走るが、元巡査長を捜査本部から外したのは長官銃撃事件の翌日になってからだった。その後8年5月になって、公安部の調べに元巡査長が事件への関与を供述し始める。「元教団幹部の被告と現場に向かった。無線で指示され、自分が撃った。自転車で逃げた後、拳銃(けんじゅう)を川に捨てた」公安部は極秘で元巡査長の取り調べを続けるが、マインドコントロールが抜けきれていない元巡査長の供述の裏付けは難航。同年10月に匿名の投書がマスコミに郵送されたことで現職警察官の「関与」が明るみに出てしまう。警視庁はようやく警察庁に報告するものの、報告が遅れた事実は重く当時の公安部長を更迭。12月には井上幸彦警視総監が引責辞任するなど異例の展開をたどった。

■実行犯特定せずに捜査強行  元巡査長の供述を頼りに“賭け”に出たのが16年7月のオウム真理教元幹部ら3人への強制捜査だった。水面下で元巡査長へ任意の聴取を続けた公安部。元巡査長はそれまで「自分が撃った」と供述していたが14年暮れごろに突如、「自分は撃っていない」と供述を翻すようになった。さらに元巡査長は新たな事実を証言した。「教団元幹部の被告に似た男と車で現場に向かい、その男にコートを貸した」 「コートをクリーニングに出すよう指示された」 任意提出を受けたコートのすそには拳銃を発射した際にできる「溶融穴」があり、「長官事件の銃弾の一部としても矛盾はない」との鑑定結果も得られた。「元巡査長の供述が初めて科学的に裏付けられた」捜査幹部は元教団幹部らの逮捕の経緯をこう振り返るが、逮捕は銃撃の実行犯を特定しないまま行われた“賭け”の側面が強いものだった。 結局、逮捕後の元巡査長の供述はまた二転三転し「自分で撃ったかもしれない」「コートは知らない男に渡したかもしれない」と大きく揺らいだ。公安部が描いた筋書きは崩壊し、東京地検は処分保留で釈放する。なぜ公安部は元巡査長の供述にこだわったのか。警察幹部はこう指摘する。「供述にはデタラメな部分もあるが、元巡査長と現場とを結びつける明らかな『秘密の暴露』が複数あったことも事実だ。元巡査長は実行犯ではないとしても現場に行っていたことは間違いない」

■根深い「事」と「ハム」  「この種の事件は公安部というよりも刑事部が捜査を受け持つべきだったのかもしれない」 警察OBは捜査が長期化した理由をこう述べた。殺人や殺人未遂など凶悪事件は通常、刑事部の捜査1課が受け持つ。だが捜査1課では当時、地下鉄サリン事件の捜査で大半の捜査員を取られ、集められる捜査員はわずか10人程度だった。これに対し、テロやゲリラ事件を担当し教団の動向監視をしていた公安部には人的な余裕があったこともあり、警視総監の判断で公安部が担当することになった。 「事」と「ハム」。刑事部と公安部は互いにこう呼び合い、その溝の深さが度々指摘されてきた。違いは捜査手法に如実に表れる。刑事警察は現場の鑑識活動や聞き込みなどから断片的に事実を積み重ね、不特定多数の中から犯人を絞り込んでいく。一方で公安警察は捜査対象となる組織や個人を長期的に視察し、組織の実体を把握して分析を進めていく。そのため、公安警察の捜査では、犯行にかかわった組織や個人が視察対象と合致していれば一気に全容解明が進むが、外れていた場合には未解決となるリスクを負うことにもなりかねないのだ。事件から14年が経過したという事実は何を物語るのだろうか。

■もう一人の「実行犯」供述の真偽  「長官事件に関与している可能性がある男がいる」 公安部が教団元幹部ら3人を逮捕する1年前の15年7月。警視庁捜査1課から公安部に情報が寄せられた。男は強盗殺人未遂事件で実刑判決を受けた中村泰受刑者(78)。捜査1課は長官事件とは別の事件捜査の過程で押収した資料や中村受刑者の拳銃射撃能力などから事件との関与を疑った。だが、公安部からの回答は「関連は認めらない」とのことだった。「つぶれた」とみられた中村受刑者だったが、19年になって再び動き出す。捜査1課は中村受刑者の聴取を再開。事件への関与を認める供述を得たためだ。中村受刑者の供述は詳細だった。おもな供述は次の通りだ。 (1)犯行に使用されたものと同種のコルト社製「パイソン」を米国で購入した形跡がある(2)事件2日前に警察官が長官宅を訪問したことを把握している (3)自転車の放置場所が警視庁の記録と一致(4)拳銃を保管した貸金庫に犯行から約1時間後の「30日午前9時26分」の開扉記録がある 計画から実行、逃走までの行動で、警察内部や犯人しかあり得ない「秘密の暴露」も複数確認されたという。 警視庁幹部は中村供述に色めき立った。19年末、捜査1課がこれまでに集めた情報が当時の矢代隆義警視総監に報告され、公安部にも情報提供された。「中村供述は事情聴取を受けている中で、事件の知識を蓄えていった可能性をぬぐいきれない」(公安部幹部) 公安部は捜査1課から再度、情報提供を受けたが依然としてオウム犯行説の立場に変わりはない。

■「リアリティーはあるのだが」…ハードル高い核心部分  改めてオウム犯行説についても整理してみる。(1)元巡査長が事件前に現場付近で職務質問を受けていることや供述に現場と結びつく「秘密の暴露」がある (2)銃撃事件の1時間後に教団幹部が在京テレビ局に電話し、次のターゲットとして警視総監らの名前を挙げて教団への捜査をやめるよう脅迫 (3)事件発生直後に教団幹部と似た男が自転車で南千住署前を通る姿が目撃されている (4)現場に残された韓国の10ウォン硬貨のDNA型鑑定の結果、元教団建設省所属の信者のものと一致 以上が主なオウム犯行説の根拠だ。だが、一方で、地下鉄サリン事件坂本弁護士一家殺害事件などの重大事件を多くの幹部が認める中で、長官銃撃事件だけは誰も認めていないなど不審点もあることも確かだ。また拳銃のパイソンは米国製で、これまでの教団への捜査で結びつくものは一切でてきていない。犯行はオウムによるものか。「元巡査長の供述も中村供述もリアリティーはあるが、1人の供述だけでは厳しい。共犯者の供述がでてくるか拳銃が発見されない限り立件は困難だ」 警察幹部は捜査の現状についてこう説明する。「治安への挑戦」として警察の威信をかけた捜査に残された時間は残り1年。越えるべきハードルは決して低くはない。

 【警察庁長官銃撃事件】 平成7年3月30日午前8時半ごろ、東京都荒川区南千住の自宅マンションで国松孝次警察庁長官(当時)が拳銃で狙撃され4発中3発が腹などに命中、重傷を負った。警視庁公安部は16年7月にオウム真理教の元幹部ら3人を殺人未遂容疑で逮捕したが、東京地検は「関与を疑う根拠はあるが立証は困難」として嫌疑不十分で不起訴処分にした。現在も70人態勢で捜査、延べ捜査員数は約46万600人。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/236614/

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