☆トレーラー居眠りで11人死傷、運送会社社長にも責任(14日)
三重県鈴鹿市の東名阪自動車道で2002年8月、居眠り運転の大型トレーラーが渋滞中の車列に突っ込み、11人が死傷した事故の遺族4人が、運転手や運送会社「井坂倉庫」(茨城県日立市)、同社の井坂悦雄社長(47)ら1社5個人を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁が「事故は過労、居眠り運転防止義務違反の結果と言わざるを得ない」などとして、井坂社長の責任を認める判決を言い渡していたことがわかった。専門家は「居眠りが原因の業務中の交通事故で、責任を社長個人まで認める判決は珍しい」としている。名古屋地裁は07年7月の1審判決で、運転手や同社などに計約2億2200万円の支払いを命じたが、社長については「個々の運転手の具体的な労働時間などは把握しておらず、注意義務があったとはいえない」として請求を退けた。しかし、昨年12月25日に言い渡された控訴審判決で岡光民雄裁判長は「社長は運転手らが過労状態で業務に就いていることは十分認識していたと推認でき、居眠り運転の危険も予見できた」などと社長の責任を認定し、社長を含む被告側に計約2億2000万円を支払うよう命じた。判決などによると、運転手は、事故の3日前の02年8月7日夜、茨城県日立市を出発し、8日午前10時頃、大阪府内の目的地に到着。同日午後4時頃、茨城県への帰途に就き、9日午後、同県内に到着した。同日午後9時頃、再び大阪府へ向けて出発し、翌10日早朝に事故を起こした。この4日間の勤務中、睡眠はサービスエリアなどでの仮眠だけで、計16時間程度だった。労働問題に詳しい井上幸夫弁護士(56)は「業務中に居眠り運転をして起こした事故の責任を、社長個人まで認める判決は珍しい。トラック運転手らの過酷な労働が社会問題になっていることを踏まえた判決だろう」と話している。事故で6歳の長男ら肉親3人が死亡した原告の阪口幸広さん(38)、玲香さん(33)夫妻(愛知県弥富市)は「過労体質を作り上げた社長の責任が法的に認められ、ようやく当たり前の言葉が聞けた思いだ。利益優先で安全を軽視すると、トップの責任まで問われるということを会社関係者は分かってほしい」と話した。一方、昨年2月、業務不振で水戸地裁に民事再生手続きの開始を申し立て、開始決定を受けて再建中の井坂倉庫は「何もお答えできない」としている。(
2009年1月14日03時03分
読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090114-OYT1T00023.htm
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