☆産経新聞コラム【Re:社会部】死者の尊厳(16日)
死因が分からない遺体を警察が解剖して調べる司法解剖は、死因の解明や凶器の特定、死亡推定時刻の割り出しなど殺人事件の捜査で重要な役割を果たします。しかし、日本では、解剖率が欧米に比べて低いのが実情です。東京都府中市で今年8月、自宅で死亡した女性について、警察がいったんは「病死」と判断したケースが一転、傷害致死容疑事件の捜査に切り替わっていたことが今月、発覚しました。警察は当初、遺体に外傷がみあたらなかったため、司法解剖を実施しませんでした。しかし、女性が火葬される直前になって同居の男性が「女性を殴った」と告白したのです。急遽(きゅうきょ)、司法解剖した結果、「外傷による脳内出血」と判明しました。千葉大法医学教室の岩瀬博太郎教授によると、警察が扱う変死体のうち、司法解剖が行われるケースは、フィンランドで100%、欧米では約50%なのに対し、日本は約10%にすぎません。「日本では、まだ死因究明の重要性が認識されていません」と岩瀬教授。それに加え、国立大の独立行政法人化などの影響で経営の合理化を迫られた大学の法医学教室の中には、人員の削減を求められているところもあります。「死者の尊厳」を守り、犯罪を見逃さないための適切な制度づくりが必要だと思います。(島)http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081016/crm0810160038002-n1.htm
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