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2008年8月24日 (日)

★コラム「振り込むな 警視庁編 4」 (24日)

      〝河南マジック〟
080713_164028_m    河南さんが相談業務に専従するようになったのは、定年まで10年以上を残した平成元年のことである。
 当時は「家事相談」と言って近隣や家庭内トラブルなどを中心に、仕事の合間に受けていた程度だった。「署内の体制は義理にも良いと言えなかった」と河南さん。年間の相談件数は100件から200件程度。相談件数が増加しても「専従」の評価が上がるわけでもないし、署内では「お荷物」として厄介がられていたという。 ところが、この相談業務を担当したことで河南さんは「地域」に対する関心を高めるきっかけとなった。
 当時の相談の多くは、近隣同士のトラブル問題だった。「どうせ聞いて貰えないだろうが、話しておかないとあいつが先に訴え出たらこっちが不利になる」など、思惑を持って署に相談にやって来るのだ。近隣同士のこうした問題は、戦前からの地域特有の人間関係に起因していることが多く事件に発展する危険性もあり、根が深いことから一度や二度話しを聞いても解決できる問題ではなかった。
 「地域を理解することで地域住民と一体化すれば、必ず心を開いてくれる」
 こう決心した河南さんは先ず、出入している地元、小金井新聞社の木内社長に「地域が分かる本はないだろうか」と相談した。社長は同社が出版した『小金井風土記』を薦めてくれた。地域の有名人から町会長、さらには有名でなくても燃料店からガソリンスタンドに変身したり、蕎麦屋が大儲けして大きなマンションを建てるなど、今になって羽振りの良い人の昔話しなどが事細かく記載されていた。当然、地域の人々の歴史を知るには最高の本となった。
 

この本を生かすためとして河南さんが決心したのは、管内の巡回や小さな移動には「自動車を使わないこと」だった。「自動車を使えば、ただ通り過ぎるだけ」として、徒歩か自転車を利用したのである。おかげで地域が良く見えるようになるばかりか、地域住民の表情を見ながら話すことで理解度も信頼度も増していった。
 さらに河南さんは、こうして得た情報を、担当地区である小金井市と国分寺市の航空地図に赤や青でマーキングやメモをすることにより、相談を含めた日常業務の参考資料に役立てたのである。
 「相談者から電話がかかると、住所を聞いた時に、地図を開きながら話していくと相手に信頼感や安心感が出てくるから話しやすいし説得しやすくなった」と河南さん。相談者もうち解け、隠さずに話すことから回答を出すのには苦労しなかったという。苦情を言うために署に駆け込んで来る相談者には「あんたは、○○さんとこの次男坊か…」と言われると静かになり、「あんたの父さん…昔しはなぁ…」と諭されると、帰り際には笑顔さえ取り戻してくる。まさに〝河南マジック〟なのである。
 そんな河南さんにも困ったことがあった。それは巡回連絡である。
 巡回連絡とは、警察が管内に居住する住民を把握するため、各家庭を訪問して住んでいる人の名前や年齢、関係などを用紙に書いてもらうのだ。
 これらの資料は、交番での道案内に利用するだけではない。「家」あるいは「部屋」が倒壊するなどの事件・事故の被害に遭った際には、誰が居住しその連絡先はどこか-など緊急対処時に役に立つものだ。特に地震国・日本としては、救出活動の際の重要な情報となる。さらに周辺に居住しているかも知れない凶悪犯の発見にも役立ち、全てが住民自身のためのものなのだ。しかし、強制力はないため最近はプライバシーを理由に断る家庭が多くなっている。
 河南さんも管内に非協力的なマンション居住者が二人いたという。訪問すると出た言葉は「住民登録は済ませてある。警察には協力しない。お前が用があっても俺にはない」と頑固だった。そこで、河南さんは考えた。この二人が車を持っていることから徹底マークを開始した。とうとう、駐車違反で捕まえ、人定をとることに成功したのである。
 河南さんは後輩に常々言っていた言葉がある。「警察官として仕事をするなら知恵を出せ」。そして巡回連絡の必要性をこう解く。「居住者の把握だけでなく、巡回連絡に行くと住民が色々なことを教えてくれるしコミュニケーションの場となる」。情報を得ることにより、警察官として住民と同じ視点に立てるのだという。
 …  …  …  …  …
 警視庁の産みの親、川路利良・大警視語録に次のような文がある。
 「警察官タル者ハ人民ノ憂患ヲ聞見スル時ハ、己レモ其憂ヲ共ニスルノ心ナカルベカラズ」(久野猛著「警察手眼に親しむ」立花書房)
 「…警察官たる者は、国民の苦しみや悩みを見聞きしたら、自分もその苦しみ悩みを共にするつもりでいなければならない」の意だ。川路大警視が「警察は行政」だと言った所以である。おわり

  http://www.police-ch.jp/video/2/003111.php  

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