« ★なんでこうなるの? 「単なるミス」では済まされない「大ミス」 でも、現代社会にはミスだけで済まされない問題がある | トップページ | ★警察だけに任せるのではなく業界、行政も含めて総合対策が必要な時期にある »

2008年7月13日 (日)

★コラムスペシャル「ヤミ金撲滅と言うが…」3

Nisshou4

ここに金融庁の資料がある。「貸金業法等の改正について」と題し、サブタイトルは「多重債務問題の解決と安心して利用できる貸金市場を目指して」となっている。そのなかで、貸金業界の現状について全情連(信用情報機関)のデータをもとに次のような数字が紹介されている。
 消費者金融の利用者数は約1400万人で、国民の8.5人に1人は消費者金融を利用しているという。そして現在の貸付残高は約14.2兆円というから大変な数字だ。参考数字として、ある金融業者から借りた債務者が完済できるのに7年かかり、しかも完済できたのは約4割の債務者に過ぎないという。
 こうした消費者金融を利用する人達の実態では、当初は「収入の減少や物品購入」だが、段々、返済が困難になり、それを返済するために、さらに別の金融業者から借り入れることになる。多重債務者の誕生となる。
 

では、その多重債務者はどのくらいいるのか?
 借り入れ5件以上の債務者は全国に約230万人いると言われ、平均借入総額は約230万円だという。それが増加傾向にあるから大変だ。
 これらの人達のなかで平成17年には約18万4000人が自己破産している。その数字は平成7年と比べると、実に約4倍に増えている。それで問題になるのが、自殺者の増加だ。平成17年に経済生活問題での自殺者は約7800人で、10年前の同7年は約2800人だから驚異的な伸びを示している。
 さて、これからが問題だ。今回の貸金業法等の改正の主なポイントは、貸金業法と出資法で違いのあった利子を統一して1本化。グレーゾーンを廃してして「業として行うもの」は、年利を29.2%から20%に引き下げられたことだ。一見して借りやすくなった。低利であれば、「ヤミ金に走らずに済むのでは…」と見られがちだ。
 ここに注目すべき発言がある。
 昨年12月8日、さいたま市で開催された参議院財政金融委員会で、意見陳述に立った埼玉貸金業協会会長の内田勇蔵さんの意見である。
 「…今回の改正では貸金業者の財産的起訴要件が5000万円に引き上げられることであり、多くの貸金業者に廃業を迫るものだ…」として「事実情の貸金業禁止法だ」と言い切っている。さらに、「金利の引き下げは信用収縮を起こし、貸金供給がストップし、多重債務者が、より金銭的に困窮する状態に陥ってしまうおそれがある」と指摘している。
 結果、消費者金融業者が廃業になる危険性もあり、さらに消費者金融業者の貸し渋りも懸念されるというのだ。結局、苦しくなった多重債務者をヤミ金に追いやることになる。これでは、裏のヤミ金が無くなる訳がない。益々、地下に浸透して危険なヤミ金業者が増える可能性があるのだ。
 そんな背景にありながら、最高裁は「ヤミ金融業者から金を借りても不法原因給付の趣旨を踏まえて返済する必要はない」という判断を示した。つまり「ヤミ金から金を借りても元金を含めて返す必要はない」と言うのだ。
 但し、この判決は「五菱会」事件という特異なヤミ金事件に対する判決であることを忘れてはならない。背景にあるのは、広域指定暴力団・山口組が絡むシステム金融で、不法原因給付の「年利が数百%から数千%」という「法外な利子」の被害者の立場にたった判決なのだ。だから、同判決の不法原因給付の部分については、「何パーセントなら不法原因給付にあたるのか、さらなる判例を重ねる必要がある」と言われている。
 ご承知のようにヤミ金業者とは、所有者が特定できない「090」の携帯を持ち、オフィスなどはなく、しかも口座は架空で、凍結されても名義人は現れない…など五菱会とは全く違う業者なのである。だから、別の角度から見て「恐ろしい集団」なのだ。つづく

« ★なんでこうなるの? 「単なるミス」では済まされない「大ミス」 でも、現代社会にはミスだけで済まされない問題がある | トップページ | ★警察だけに任せるのではなく業界、行政も含めて総合対策が必要な時期にある »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ★コラムスペシャル「ヤミ金撲滅と言うが…」3:

« ★なんでこうなるの? 「単なるミス」では済まされない「大ミス」 でも、現代社会にはミスだけで済まされない問題がある | トップページ | ★警察だけに任せるのではなく業界、行政も含めて総合対策が必要な時期にある »