小説 警視庁・薬物特命捜査官(4)
★通信傍受
話しは風間に代わった。
「この史上最大の作戦を成功させるためには、今回押収した携帯にある新宿歌舞伎町の中国人経営の貿易商、朝洋商事の解明にポイントがあるように思えてならないのですがご意見がありますか」
老年の捜査員が手を挙げた。
「しかし、海保の例に見られるように情報が漏れて一部報道が先行するなど困難を伴うのは目に見えている。警察庁は威信をかけて成功させると言っているが、警察庁を含めて各県警の情報漏洩などは防げるのか」
「朝洋商事を経営している帳亭植という五十四歳の男は、外国人検索システムで検索ができることになっています。携帯番号から行動範囲までの全てが、北海道警から沖縄県警までボタン数回叩くだけで可能なんです。しかもそれは、警察署単位なんです。ですから絶対に漏れないという保証はない。あとは警察官の資質に頼るしかないのではないですか」
と、重森が答え、老年の刑事の顔を見ながら、こう、言った。
「問題は海保なども含めて政府関係者への会議などでの途中経過報告なんです。これだけは警察庁が中心になり責任を持ちたい」
風間はこの議論を聞いていて、老刑事が言いたかったのは「警察庁長官銃撃事件や広域指定116号事件(朝日新聞襲撃事件)での刑事部、公安部を巡るゴタゴタ」だろうと感じ取った。


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